未経験で農業法人に転職したい人へ!志望動機の書き方を紹介します!

農業

こんにちは秋富です。

このブログでは、農業を仕事にしたい人向けに「サラリーマン就農」を推奨しています。

サラリーマン就農のメリット等については、こちらの記事をご参照ください。

今回は、農業法人への転職志望者が避けては通れない、履歴書の書き方についてご紹介します。

特に農業未経験から転職を目指す場合、履歴書を書くときに悩むことが多いと思います。

そんな人に向けて、この記事では、一番書くのが難しいであろう「志望動機」にしぼって、書き方のポイントや具体的な記載例について紹介していきます。

農業法人にも履歴書は必要

ここまで読んでもらって、

「え、農業の会社にも履歴書が必要なの?」

と思った人もいることでしょう。

これは「農業=家族経営」というイメージが強いためだと思われます。

家族経営なので、人を雇う時も知り合いのツテを頼ったり、アルバイト等で働いたことのある人に声をかけたりする。このように会社側が大体どんな人物かを把握しているため、改めて履歴書の提出などを求めず、簡単な面接などだけで採用するか決める、そんな印象があるのだと思います。

しかし農業法人はあくまで会社ですので、基本的には履歴書の提出が求められると考えましょう。

私もこれまで6社ほど農業法人に応募しましたが、どの会社も履歴書の提出が必要でした。

特に求人サイトで幅広く人材を募集している会社にとっては、応募者の基本情報を把握し採用を検討するために、履歴書は重要なツールとなります。

履歴書の提出は必須と考え、採用に結びつけるためにも各項目の記載を充実させましょう。

未経験から農業法人に転職は可能

「農業未経験者が採用されるのは厳しいのでは?」

と思っている人もいるかもしれませんが、未経験でも農業法人に転職は可能です。

むしろ農業経験者の絶対数が少ないのが実情ですので、未経験であるという理由で不採用になることはまずないと考えて良いと思います。

実際、求人サイトやハローワークの求人情報を見ると、必要な経験や免許・資格の項目が「不要」であったり、特記事項に「未経験者歓迎」と明記している農業法人が大半を占めています。

重要なのは、会社側が「こういう経験をした人なら未経験でも採用したい」と思っているポイントを押さえ、履歴書や面接の中で「農業経験はありませんが、これまでの経験やスキルを活かして、御社に貢献できます!」としっかり伝えることです。

そのためにも、履歴書の「志望動機」を充実させていきましょう。

志望動機の書き方

それでは実際に志望動機を書く際のポイントについて解説していきます。

そもそも志望動機とは、応募した会社に対して「なぜここで働きたいのか」を伝える項目です。

志望動機に書くべき内容は様々あると思いますが、最低限、次の2点は必ず盛り込む必要があります。

  • 志望理由:その業界・会社を志望した理由
  • 貢献意識:自分の経験等をどのように活かしていくのか

順番に見ていきましょう。

志望理由

まず、どうして農業を志したかを書くことが大事です。

未経験から農業、そして現場作業を志望するに至った背景をしっかり説明しましょう。特に農業に関心を持った理由についてはぜひ書いておくことをおススメします。

農業に関心を持ったきっかけは人それぞれだと思います。100人いれば100人のきっかけがありますので、内省しながら整理してみましょう。

例えば私の場合は、実家が兼業農家で幼い頃から田植えなどの手伝いをして育ってきたので、元々農業には関心がありました。

他にも、例えば次のような事例があると思います。

  • 親の実家が農家で、夏休みにはよく遊びに行って農作業を手伝っていた。
  • 実家の周りが田畑に囲まれていて、近所の人が農業をしている様子を見てきた。
  • スーパーで青果物を販売しており、自分が青果物を生産する方に興味を持った。
  • 食品メーカーに勤めており、原材料となる肉や野菜の生産に関心があった。
  • 地方に腰を据えて働きたいと考え、農業を選んだ。
  • 農業人口の減少や食料自給率の問題などに関心があった。

農業を志望したきっかけに正解はありません。自分にしっかり問いかけてみまょう。

ただし、「黙々とやれそう」とか「田舎で時間に追われずゆっくり作業できそう」などの理由はおススメしません。農作業はコミュニケーションが非常に重要ですし、天候などの都合で作業に追われることもよくあります。

会社から「こいつ農業分かってないな」と思われてしまうような志望理由は書かないようにしましょう。

次に、応募する会社を選んだ理由についても書きましょう。

他にも農業法人がある中で、なぜその会社を選んだかについて考えてみましょう。

その会社の価値観(経営理念など)に共感した、早いうちから責任のある仕事を任せてもらえそうだった、その地域の農業を担っていてやりがいを感じたなど、その会社の特色をふまえて、どこに魅力を感じたのか、その会社「ならでは」の理由を盛り込むことが重要です。

しかし、実際問題として、その企業しか選択肢がない場合もあり得ます。

例えば、住みたい地域がすでに決まっていて、そこに農業法人が1社しかない場合。他にも、野菜や果物の栽培を志望しているけど、その地域は酪農がメインで、希望に合う会社が1社しかない場合など。

このような場合、必然的に応募する会社以外の選択肢がないわけですが、素直にそう書くのではなく、上記で説明したその会社「ならでは」のポイントを書くようにしましょう。

貢献意識

次に、自分のこれまでの経験を応募する会社でどのように活かしていくかを書きましょう。

未経験者が応募してくることは企業側も織り込み済みです。

「この人なら、これまでの経験を活かしてうちでも活躍してくれそうだな」と、会社側に思わせることが重要です。

それではどのような経験ならば、会社から「採用したい」と思われるでしょうか。

私が転職時に受けた面接や、今働いている農業法人での経験を元に説明します。

(1)何かをやりとげた経験

(2)リーダーシップを発揮した経験

(3)コミュニケーションを十分に行った経験

(1)何かをやりとげた経験

面談で必ずと言っていいほど聞かれたのが、「これまで何かやりとげた(達成した)ことはありますか?」という質問です。

農業は長期間にわたる作業です。

私が勤めている会社(北海道でダイコンを栽培)を例にとると、5月から畑の準備と種まきをして、その後の管理(農薬散布、雑草取りなど)が7月上旬まで。そこから10月中旬まで収穫作業になります。収穫が終わってからも、畑の整地作業や後片付け等があり、すべて作業が終わるのは11月末になります。

当社はほぼダイコンしか栽培してないので冬場の畑作業はありませんが、ビニールハウスなどで一年中作物を栽培している会社の場合、周年で何かしらの作業があります。

さらに、肉体的にしんどい作業もありますし、休みが不定期、朝が早いなどの辛さもあります。

このように長期にわたって、自然を相手に作業を続けるには、多少に忍耐力が必要となってきます。

何かをやりきった経験がある人は、根気強さがあったり、達成感を大事にしていることが多いと思います。このような経験は会社側から歓迎されるでしょう。

学生時代の部活動や仕事でのトラブル対応、プロジェクトの実施など、盛り込める経験を整理しておくと良いかと思います。

(2)リーダーシップを発揮した経験

農業は一人で黙々とするイメージがあり、あまり人と接しないという印象があると思います。

しかし、人を雇用できるくらいの規模の会社ならば、農作業をパートやアルバイトに担ってもらっている場合が少なくありません。

彼等に指示を出したり、不測の事態があった時に対応するのが正社員の役割です。

さらに経験を積んでくると、作業の段取りを考えたり、現場の実態をふまえて作業の改善を検討・提案することもあります。

このような役割が期待されているため、人に指示を出したり、自ら主体的に考え動いた経験、周りに働きかけた経験がある人は重宝されます。

学生時代に部長やキャプテンだった人、仕事でチームを率いた経験がある方は、どのようなことをしたか具体的に思い出してみましょう。

また、特にそのような経験がないという人も、例えば、前任者のやり方をより効率的なものに改善したなど、自分で主体的に考えて動いたことを中心に経験を整理していくと良いかと思います。

(3)コミュニケーションを十分に行った経験

さきほど説明したとおり、農業においても周囲とのコミュニケーションは非常に重要になってきます。コミュニケーションがうまく取れないと仕事が進まない局面が多いです。

他の人と一緒に作業する場合、もちろん周囲とのコミュニケーションは必須です。さらに自分一人だけで作業をする場合でも、作業の進捗報告を行う必要がありますし、何か不測の事態などが起こった場合は周囲のヘルプを求めることも多々あります。

また、パートやアルバイトに作業を任せている場合であっても、作業の説明や指示は正社員が行う必要があります。特に現場作業は天候などの事情で予定通りに進まないことも多く、その場合、臨機応変な対応が求められます。

上司の指示を受ける場合でも、自分で判断して指示を出す場合であっても、周囲としっかりコミュニケーションを取ることが重要です。

「農業は自分一人で完結する」というイメージを持っている人も多いかもしれませんが、農業法人の場合は必ずしもそうでないことは注意しておきましょう。

複数人で業務を回した経験や、周囲と協力して問題を解決した経験などがある場合、その時の自分の役割や発揮したスキルなどを整理してみましょう。

志望動機の例文

ここまで志望動機の書き方について説明してきました。

最後に、具体的な志望動機の例文を紹介します。あくまで例ですので、ここからイメージを掴んでもらえればと思います。

これまで食品メーカーで営業として顧客ニーズに合った商品提案をしてきました。扱っている商品の原料となる食材の仕入れ等で苦労した経験があり、自ら食料生産を担っていくことに興味を持ち、農業の世界で働くことを志望しました。

貴社は水稲や小麦、野菜など様々な農作物の大規模栽培に取り組んでいるほか、6次産業化など多角的な事業を展開しており、積極的に挑戦することで多くの経験が積める点に魅力を感じています。また、これからは農業従事者のキャリアや働き方を支援していくことが重要だと認識しており、貴社の人材育成に注力している方針に強く共感しました。

営業職として毎年の目標達成に向けて顧客とのコミュニケーションを密にし、相手のニーズにあった提案を心掛けました。また目標を必ず達成するために日々の情報収集や業務時間外での勉強も自主的に進めるなど、何事にも粘り強く取り組みました。このようなコミュニケーション能力や目標達成のための根気強さは農業でも活かせると考えています。

農業は未経験ではありますが、持ち前の好奇心とチャレンジ精神、素直さを活かして知識と技術を身に着け、一日も早く貴社で農業に貢献したいと思い、今回応募いたします。

まとめ

この記事では、未経験から農業法人に転職する時の「志望動機」の書き方について説明してきました。

最後に注意ですが、志望動機は履歴書に書いて終わりではありません。その後の面接などでも話す機会は多いです。

履歴書に書いたことをベースにしつつ、その後の企業研究や業界研究をふまえて、内容をブラッシュアップしていくことが重要です。

最初に言いましたが、未経験者でもウェルカムの農業法人が大半です。

希望する企業の内定を勝ち取れるよう、志望動機や他の項目の記載を充実させ、良い履歴書を作りましょう。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

この記事を書いた人
秋富 敬

農協の全国組織で十年ほど勤めた後、北海道の農業生産法人に転職。
日々、農業やそこで働く人々の人材育成等について考えています。
国家資格キャリアコンサルタント。
社会人のスキルアップのための勉強や、教養を得るための講座受講など、様々な形で学ぶことが好きです。
読書も好きで小説や民俗学、歴史の本をよく読みます。
農業や人材育成、読書のことなど、誰かの役に立つ情報を発信していきます。

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